2004-12-24 20:23:02
「アヴェ・マリア」プライス、カラヤン、ウィーン・フィル [ クリスマス音楽 ]
![]() | アヴェ・マリアカラヤン(ヘルベルト・フォン), プライス(レオンタイン), ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, ウィーン楽友協会合唱団, ウィーン・グロスシュタット少年合唱団, グルーバー, メンデルスゾーン, ホプキンスユニバーサルクラシックこのアイテムの詳細を見る |
1960年代にカラヤンが、ソプラノにレオンタン・プライスを迎えて、ウィーンフィルと録音したクリスマス・アルバム。
プライスは、最初からオペラティックな歌唱で、あまりクリスマスらしい静かな雰囲気などは気にせず、スケールの大きな歌唱を聴かせます。
以前紹介した、キャスリーン・バトルとは声質が異なっていて、鼻にかかったくぐもった声で、ヴィブラートをきかせて、ふくよかな印象を受けます。そのため、部屋でひっそりと、清らかなクリスマスを楽しむというよりも、着飾った劇場でクリスマスコンサートを楽しんでいるという風情にきこえます。そもそもレオンタン・プライスは、圧倒的な声量を誇った人なので、静謐な雰囲気には縁遠いのかも知れません。
指揮者にカラヤン、オーケストラはウィーン・フィル、楽友教会合唱団を使い、贅沢なことこのうえなしです。カラヤンのいいところは、こうしたリラックスしたアルバムを作る時でも、いっさい手抜きをしないところです。ベートーヴェンの交響曲を演奏するのと同じ気持ちで、クリスマス音楽を演奏しています。
その効果が、特にハッキリ聞こえるのは、10曲目シューベルトの「アヴェ・マリア」以降の4曲。シューベルトの「アヴェ・マリア」では、オーケストラの弦だけで、1コーラス演奏がありますが、この演奏が気合いが入ってます。遅めのテンポでゆったりとウィーン・フィルの弦を歌わせていきますが、その磨き上げられた音色は、紛れもなくカラヤンのもの。後年、ブルックナーやマーラーの交響曲、ワーグナーのオペラで聴かせたような、凄みのある美しさを聴くことができ、カラヤンの気迫が伝わってくるようです。
ウィーン・フィルの面々が、「おいおい、クリスマス・アルバムにそこまでやるのかよ!?」と、ぼやきながらも、「カラヤン先生だからしょうがねえや、いっちょやったるか」と、力を込めて弾いている姿が、目に浮かぶようです。
クリスマスの静かな雰囲気には、ほど遠い演奏ですが、聴き終えたあと心地よい充実感がある、神々しく美しいアルバム。録音は古いですが、鑑賞にまったく支障ありません。
ヒーリング・クラシック
「アヴェ・マリア」プライス、カラヤン、ウィーン・フィル | Permalink | コメント(27) | Trackback(0)
2004-12-16 17:21:33
クリスマス・オラトリオ [ クリスマス音楽 ]
![]() | バッハ:クリスマス・オラトリオ鈴木雅明, コーイ(ペーター), フリンマー(モニカ), 米良美一, テュルク(ゲルト), バッハ・コレギウム・ジャパン, バッハキングインターナショナルこのアイテムの詳細を見る |
オラトリオってなんだ、ってくらい馴染みのないジャンルです。オーケストラ伴奏に乗って、天使とか福音史家などの役割を当てられたそれぞれの歌手が、歌を歌って物語を紡いでいくものです。歌唱の間には、レチタティーボという説明の読み上げがあり、物語の進行が語られます。
主に宗教的なテーマが題材になることが多く、バッハは「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」「ロ短調ミサ曲」などキリスト教を題材にした曲を多く作っています。もともと、敬虔なプロテスタントであったバッハは、その生涯を音楽によって神をたたえることに捧げていて、もとより宗教的なテーマが多くなるのは当たり前なのです。
クリスマスオラトリオは、受難曲のような劇的な求心力を持った曲ではありませんが、明るく晴れやかな曲として、バッハの他の宗教曲よりは親しみやすいものになっています。そもそも、無宗教な我々日本人が、キリストの復活の物語を聞いて感動する方が無理というもので、言葉の意味にはとらわれず、バッハの音楽のみを味わっているのが正直なところです。そういう意味でも、クリスマスの物語であれば、日本人でもすんなり入っていける世界ではないでしょうか。
現在では、バッハの作品は古楽器で演奏するのが、主流になっています。以前は、現代オーケストラで、大人数のコーラスをバックに、オペラでならした名歌手達が、大々的に演奏するものが多かったのですが、そういった録音は今では見られません。
古楽器での演奏は、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮のイングリッシュ・バロック・ソロイスツ演奏のもの(アルヒーフ)や、クリストファー・ホグウッド指揮のエンシェント管弦楽団のもの(オワゾリール)が有名ですが、鈴木雅明指揮のバッハ・コレギウム・ジャパンの演奏も、日本の古楽器演奏の水準の高さを示す、素晴らしい演奏です。
オーケストラも合唱も小編成で、古楽器の優しい響きを生かした演奏は、クリスマスにぴったりです。
ヒーリング・クラシック
クリスマス・オラトリオ | Permalink | コメント(26) | Trackback(0)
2004-12-08 18:53:33
アワー・フェイヴァリット・シングス〜クリスマス・イン・ウィーン2000 [ クリスマス音楽 ]
![]() | アワー・フェイヴァリット・シングス〜クリスマス・イン・ウィーン2000ソニーミュージックエンタテインメントこのアイテムの詳細を見る |
名テノール、プラシド・ドミンゴが中心となって開かれる恒例の「クリスマス・イン・ウィーン」のライヴ。2000年はヴァネッサ・ウィリアムス、シャルロット・チャートが招かれ、一層華やかなものとなっています。
同じクリスマスCDでも、こちらは絢爛豪華。静かに清らかにクリスマスを祝おうという雰囲気ではありません。いずれ劣らぬ名歌手達が、これでもか、これでもかと、クリスマスソングを歌い上げます。クリスマスソングをテーマにした歌謡ショーのような感じもします。歌は、歌手が名手揃いなので、まさに完璧。時に優しく、時に激しく、甘く、切なく、あらゆる手練手管を使って、聴く者の心に訴えかけます。その熱演を聴いていると、ついひきずられて、盛り上がること請け合いです。クリスマスにウィーンの空に上がった、大輪の花火のよう。
バックのオーケストラも大熱演。アレンジも凝っていて、単調になることはありません。引くところはちゃんと引いて、歌手達の歌の邪魔をすることはありません。
これを聴くと、欧米でもクリスマスは一大イベントで、我々日本人が持っているイメージどおりに、教会でミサに参加したり、家でお祈りを捧げて、あくまで清く正しく過ごしている人ばかりではない事がわかります。そういう意味では、ウィーンのような大都市のクリスマスは、日本でのクリスマスと大して変わらないのかも知れません。
ヒーリング・クラシック
クリスマス・ギフト・ショップ
アワー・フェイヴァリット・シングス〜クリスマス・イン・ウィーン2000 | Permalink | コメント(0) | Trackback(0)
2004-12-03 21:42:56
「クリスマス・キャロル集」ムジカ・サクラ [ クリスマス音楽 ]
クリスマス・キャロル集![]() | クリスマス・キャロル集ムジカ・サクラ, ウェスタンバーグ(リチャード)ユニバーサルクラシック |
「ムジカ・サクラ」という名前から、日本人のグループかと思ってしまいそうですが、まったく関係ありません。ムジカ・サクラは、ニューヨークの教会を中心に活動してきた伝統ある合唱団で、近年はカーネギー・ホール、メトロポリタン・ミュージアム等でも演奏を行い注目を集めています。
楽器演奏が入ってない、ア・カペラ合唱なので、これを聴くと「これこそ、教会で聴く、正統派クリスマス」という感じを受けます。清らかで静謐なイメージ。世俗の煩わしさや厄介ごとから解放されて、清く正しく美しい宗教的クリスマスを実感するには、くもりのない合唱曲がうってつけです。
ムジカ・サクラの演奏は、澄んだ響きと磨きぬかれた美しいハーモニーを特色とし、聴き手の心に暖かなぬくもりを感じさせてくれます。
このCDを聴いていると、なんだか心が洗われてきて、まるで自分が、清く正しい人間に生まれ変わったかのような、錯覚に陥ります。そんなはずはないのですが。
選曲も〈きよしこの夜〉を始め中世から現代まで、人気の高いキャロルが散りばめられたおり、聖夜に最も適した一枚と言えるでしょう。
ヒーリング・クラシック
「クリスマス・キャロル集」ムジカ・サクラ | Permalink | コメント(27) | Trackback(0)
2004-11-30 20:40:06
クリスマス協奏曲集 [ クリスマス音楽 ]
クリスマス協奏曲集![]() | クリスマス協奏曲集イ・ムジチ合奏団ユニバーサルクラシック |
クリスマス協奏曲
「クリスマス協奏曲」という、いかにも大衆が喜びそうな曲があるのか?。あるんですよ、これが。けっして、山下達郎が作ったわけではありません。CMのタイアップ曲でもありません。れっきとしたクラシックの名曲です。
「クリスマス」と題された合奏協奏曲が、4曲集められてします。コレルリ、トレルリ、ロカテルリ、マンフレディーニの4人がそれぞれ作曲。みんな17世紀後半から18世紀前半に、イタリアで活躍した人達です。
コレルリ、トレルリ、ロカテルリなんて、いい語呂合わせのようですが、単なる偶然です。けっして冗談でそういう名前になっているわけではありません。
現代では、協奏曲といえば、独奏楽器がオーケストラをバックに名人芸を披露する曲のことですが、バロック時代以前は、独奏楽器とオーケストラが明確に別れておらず、第1ヴァイオリンが、独奏楽器のような役割を果たしたりする「合奏協奏曲」という形態が一般的でした。
バッハのブランデンブルク協奏曲と、ヘンデルの合奏協奏曲が、このジャンルの最も有名な作品で、それこを星の数ほどCDが出ています。
この「クリスマス協奏曲集」はバッハやヘンデルの名曲とくらべると、曲の構成感に緻密さが足りないとか、主題の展開が甘いとかの、欠点も目につくかも知れませんが、イタリアものの特徴である、哀愁を帯びた切ないメロディは、聴く者の心にしみいる美しさを持っています。
わたしが持っているのは、イ・ムジチ合奏団が1984年に録音したCDです。イ・ムジチ合奏団は、ひんぱんに来日してましたね。一時期は毎年のようにコンサートがありましたが、「四季」ばかりが有名になって、いつも演目が四季になっていて、少し残念でした。
バロック時代の音楽は、バロック時代の楽器で演奏するのが、主流になっていますが、イ・ムジチ合奏団は現代楽器での演奏です。そのため音は滑らかで気品があります。テンポもゆったりとして、鋭い緊張感には欠けますが、心地よい安心感があり、くつろいで聴くにはいいCDです。
ヒーリング・クラシック
クリスマス協奏曲集 | Permalink | コメント(23) | Trackback(0)
2004-11-25 20:33:02
きよしこの夜〜キャスリーン・バトル [ クリスマス音楽 ]
きよしこの夜![]() | きよしこの夜バトル(キャスリーン), ハーレム少年合唱団, ニューヨーク・コーラス・アーティスツ, 聖ルカ・オーケストラ, スラトキン(レナード), プレトリウス, シューベルト東芝EMI |
11月にはいると、繁華街はクリスマスイルミネーションで飾り付けられ、クリスマスの音楽が流れてきます。「ジングルベル」とか「赤鼻のトナカイ」とか。普段、キリスト教とはまったく関係ない暮らしをしている、極東アジアの島国に住む私達でも、こうした曲を聴くと、なんとなくウキウキするから不思議です。
そんな純な気持ちに付け込んで、財布のヒモをゆるめようと、クリスマスのCDが、CDショップにあふれんばかりに並んでいます。わたしもそんなアメリカ資本主義に乗せられたひとりですが、CDを聴いて気持ちよくなるなら、乗せられてもいいかなと思ってしまいます。
そこで、気持ちよく乗せられるためのクリスマスCDの紹介です。
「きよしこの夜」リリック・ソプラノのキャスリーン・バトルがオーケストラをバックにクリスマス・キャロルを歌っています。指揮はレナード・スラトキン。
名が売れた歌手なら、必ずクリスマスCDを出していますが、これはその中でもピカイチ。バトルの声は、ノーブルで気品があり、大袈裟になることがないので、クリスマスの敬虔な雰囲気にぴったりです。クリスマスキャロルをオペラティックに歌われると、静かな雰囲気が台無しになってしまいますが、このCDに限ってそんなことはありません。
こうした歌もののCDは、聴く人の好みが大きく左右するので、気に入らなければどうしようもないのですが、バトルの声は、万人に受ける声ではないでしょうか。ドン・ジョバンニのツェルリーナやマーラーの4番など、その透きとおったコケティッシュな声は、どこでも絶賛されています。
オーケストラの伴奏も、控えめで雰囲気豊か。出しゃばって、バトルの歌の邪魔をすることはありません。アレンジも伴奏役に徹したものですが、オーケストラの音の豊かさを失うことはありません。
曲目は、有名なクリスマスキャロルが集められており、これ1枚で私達になじみがあるキャロルは、ほとんど網羅されているのがうれしいところです。ゆるやかなメロディで叙情的な曲や、リズムがあって弾むような曲など、パターンが単調にならないように工夫されています。
きよしこの夜〜キャスリーン・バトル | Permalink | コメント(0) | Trackback(0)
2004-11-08 13:03:45
アダージョ・カラヤン [ クリスマス音楽 ]
アダージョ・カラヤン![]() | アダージョ・カラヤンベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, マーラー, カラヤン(ヘルベルト・フォン), パッヘルベル, マスネ, ブラームス, ビバルディ, グリーグユニバーサルクラシック |
アダージョ・カラヤンというCDがあります。カラヤンの死後、1990年に最初のCDが発売されるやいなや、クラシックのCDとしては、空前の大ヒットをとばしました。売れると見るや、次々に似たようなCDが売り出され、アダージョ・カラヤンだけで5枚、アダージョ・カラヤン・ニュー、ミレニアムが2枚、ロマンティック・カラヤン、果てはアダージョ・カラヤンのベスト版までできてしまいました。「超」音楽伝説カラヤンの謎―「アダージョ・カラヤン」はなぜ、売れたのか!?という本まで出ています。
CDの内容は、カラヤンが録音した膨大なカタログの中から、ゆったりした曲調の音楽を抜き出して、ベスト版を作ったものです。曲目を見ると、最初に来るのが、マーラーの交響曲第5番、第4楽章アダージョ。ここからアダージョ・カラヤンの名前が付いたのでしょう。
演奏は、素晴らしいの一言。ゆったりとした音楽を演奏させて、カラヤンの右に出る者はありません。セミ・クラシックと呼ばれる、気楽に聴けて肩が凝らない音楽を、崇高な表現と緊張感で芸術音楽にまで高める手法は、カラヤンの独壇場です。
どの曲もゆったりとして、眠りにつく前に聴くのにぴったりの曲ばかりです。そして高い音楽性で表現された曲が並んでいるのですから、これ以上心が落ち着くCDはありません。まさに夢見心地とは、このことです。
ベルリン・フィルの、究極まで磨き抜かれた音も、こうしたCDにぴったり。まさにうってつけ。現代のオーケストラ技術を持ってすれば、そう難しいことではないでしょうが、あえてカラヤンのような磨き抜かれた表現をすることはありません。当時のカラヤンとベルリンフィルにして、可能な表現だったのでしょう。
紹介しながらこういうのも何ですが、私はアダージョ・カラヤンを1枚も持っていないのです。カラヤンとベルリン・フィルのCDは山ほど持っています。ただ、若かりし頃は「寄せ集めのベスト版など邪道!。クラシックは1曲を頭から最後まで、通して聴くべきだ!!」と思っていたので、コンピレーションアルバムのたぐいには、手を出していなかったのです。
でも、40歳も過ぎて、なかなか交響曲1曲を通して聞く時間も取れなくなり、ゆっくり音楽を聴くのは、夜寝る前だけになってみると、ゆったりした曲を集めてあるアダージョ・カラヤンのようなCDは、なんと便利なことでしょう。これは絶対のお薦めのCDです。
アダージョ・カラヤン | Permalink | コメント(25) | Trackback(0)
2004-11-02 20:43:33
レイフ・ヴォーン・ウイリアムス(RVW)&ディーリアス [ クリスマス音楽 ]
グリーンスリーヴズ/河の上の...![]() | グリーンスリーヴズ/河の上の夏の夜アカデミー室内管弦楽団, ブラウン(アイオナ), カンガ(スカイラ), ベネット(ウイリアム), ヴォーン=ウィリアムズ, マリナー(ネビル), バーバー, ディーリアスキングレコード |
レイフ・ヴォーン・ウイリアムス(RVW)
「トーマス・タリスの主題による幻想曲」
「グリーンスリーブスによる幻想曲」
「揚げひばり」
「富める人とラザロの5つの異版」
ディーリアス
ミニチュア集
近代イギリスの作曲家。なにやら聞いた事がない作曲家で、マニアな曲を紹介しているようですが、曲は素直そのもの。そして日本人好みの叙情味がいっぱいで、切ない気分に浸れること請け合いです。
私がよく聴いているのは、作曲家の愛弟子ノーマン・デル・マーがバーミンガム市交響楽団を指揮したCD。3曲目に「未知の世界へ」というあまり聴かれない曲が入っています。他の3曲はしっとりと落ち着いた曲ですが、この曲には合唱が入っていて盛り上がります。寝る前に聴くには盛り上がりすぎるかも。
このCDは、アマゾンには見あたらなかったので、有名なネヴィル・マリナーがアカデミー室内管弦楽団を指揮したものを紹介しておきます。こちらもマリナーお得意のイギリスもので、スッキリとした爽やかさの中に、叙情味が感じられる好演です。
2枚目のディーリアスのミニチュア集は、私の愛聴版で、4〜8分くらいの短い曲が集めてあります。お休み前の落ち着いた一時にぴったり。特にお勧めは、8曲目の歌劇「コアンガ」からラ・カリンダ。とても爽やかでいい曲です。
レイフ・ヴォーン・ウイリアムス(RVW)&ディーリアス | Permalink
| コメント(27)
| Trackback(0)







