2004-11-09 11:29:11

平均寿命と年金 [ エッセイ ]

 出生率の低下は、年金だけでなく国の経済活動や福祉政策を左右する重大な問題なので、なんとか低下を食い止めようと、政府はいろんな政策を考えますが、産む産まない以前に、結婚する人が減っている現状では、簡単に出生率が上昇することはないでしょう。
 しかし、出生率によって年金が影響を受けるのであれば、人間がいくつまで生きるのか、平均寿命によっても、年金は影響を受けるはずです。
 現在、年金は65歳になったらもらえることになっています。逆に言えば、65歳前に死んでしまうと、本人は何ももらえません。死んでいるから当たり前ですけど。
 何十年も年金を納めてきて、やっともらえると思っていたら、ぽっくり死んでしまった。じゃあ今まで納めてきた年金はどうなるの!?。納め損?それってひどいんじゃない?お父さんが納めた年金を返してくれ!と言っても返してくれません。年金は世代間の助け合いなんですから。
 高齢者がどんどん増えて、若者がどんどん減っていくと、もらえる年金が減っていきますが、その逆になると、もらえる年金はどんどん増えていきます。つまり、平均寿命がどんどん短くなると、年金をもらう人が少なくなって、年金問題は一気に解決するのです。
 平成14年の平均寿命は、男性78.32歳、女性85.23歳です。平均寿命は、0歳の赤ちゃんが生まれて何歳まで生きるかという確率だそうで、41歳の私があと何年生きるかという「平均余命」とは別のものなんだそうですけど、統計講座ではないので細かいことは書かずにおきます。
 「人生80年時代」なんて言われて、なんとなく自分も80歳くらいまで生きるんだと思っているあなた、それは甘いんじゃないですか?。当たり前ですが、現在80歳まで生きてきたのは、80年前に生まれた人です。
 80年前と言えば1924年。大正13年です。戦争に生き残り、戦後食糧難の苦しい時代をくぐり抜けて、日本を復興に導いた世代です。その苦労は、並大抵のものではなかったはずです。
 粗食や空腹に耐え、肉体労働や不便な生活に耐え、家族を支え、子供を育ててきた人生は、強靱な体がなくては生きてこられなかったでしょう。
 ひるがえって、現代の私達の生活。タバコを買いに行くにも車を使い、夏はクーラー、冬は暖房の中でぬくぬくと暮らしています。高カロリー高タンパクの食事を毎日取り、医者からは「生活習慣病に気をつけなさい」と言われる日々。子供までが成人病と診断される始末です。
 私は父から「学校まで歩いて10kmの道のりを、毎日歩いて通っていた」と言われてびっくりしていました。その私が、今では子供に「お父さんは学校まで4km歩いていた」と言って子供をびっくりさせています。
 小学6年生の長男の生活を見ていると、私が子供の頃の生活と驚くほど違っているのが分かります。圧倒的に運動量が少ないのです。運動と言ってもスポーツをするといったことではなく、野山を走り回ったり、日が暮れるまで夢中になって遊んだりといった意味です。
 遊びといえばテレビゲーム。友達と遊ぶのは電話で予約をしてから。雨が降ると車で親が迎えに行き、危なそうなものはすべて禁止。こんな環境でたくましい子供が育つ訳がありません。そんなことを言う私にしたって、父に言わせれば、「運動もせず、過保護な環境で、ぬくぬく育った」のだそうです。
 こんな生活を続けている私達現代人が、80年前に生まれた人達と同じ寿命を全うできるなんて、到底思えません。平均寿命は必ず下がります。私の予想では、20年後、男性65歳。女性75歳になります。(科学的根拠は全くなし)
 つまり男性は、ほとんどが年金をもらうことなく死んでいくわけです。これで年金問題は解決。高齢者社会もやってきません。なんだ、心配することないじゃん。って結局もらえないんじゃないの!。
 さて、本当にこうなるかどうか。一寸先は闇です。 

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